五月。一年中で大地のエネルギーを一番感じる季節。お茶農家の我が家にとっては、摘み取り、製茶加工、発想と、寝る間も惜しんで働く時期です。
大型連休中も家族全員で茶畑へ。最初は渋々だった子供たちも、次第に調子が出ると、お茶の葉を入れる袋を持って来てくれたり、トラックへ運んだりと、汗だくでお手伝いです。そんな一生懸命な姿を見て、大人たちも、もう一頑張り。
とはいえ、子供の手伝いもそう長くは続きません。そのうち大人の目を盗んでは、追いかけっこをして畑を走り回ったり、トラックの上に乗って遊び始めたり。でもそれでいいのです。
「お茶飲みするぞー」。この一声で全員集合。汗をふきふき、冷たいお茶やジュースを飲み、パンやお菓子をほおばると、自然に笑顔がこぼれます。
子供たちは、連休中一度くらい遊びに連れて行って欲しいはずですが、親には何も言いません。家族みんなで汗を流し、「これくらい頑張らなければ」と子供なりに感じているのではないでしょうか。
この子らが大人になって、「木陰で飲んだお茶はおいしかった」と思い出してくれれば、と願っています。
(政)
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