冬の仕事 石垣つき

 山の茶畑は、傾斜地にあり作業が大変きつい場合が多いのですが、中でも昔ながらの茶畑では、作業道路さえ畑の横に通っていなくて、肥料運びや作業機械を運ぶのさえ重労働かつ、危険がともなうとこもよくあります。

そんな茶畑に道を引くのは、お茶が眠っている冬の間に行います。

石垣を積み上げ土を均して、道路より2メートル程上にある茶畑に車が入れるようにします。
石垣つきの名人「福さん」です。
石の面(つら)を見る

石の表裏になる面を見定めて、ゴツゴツ・デコボコの大きな石を少しづつずらしながらキッチリと組み合わせていきます。
石の形が合わないところは、げんのう(ハンマー)で叩いて少しづつ石を割って、出すぎたり、グラグラしないように合わせます。
ピタリとはまりそうな石を選んでワイヤーをかけるのは園主の父の仕事です。

真剣な眼差しで、はまりそうな石を見定めます。
良さそうな石が見つかりました。
石を少し持ち上げながら・・・・
石にワイヤーをかけていきます。
ようやく園主の出番がきました。

バックホーで石を吊り上げちょうど良い位置に下ろします。
周りをよくみて安全を確かめながらバックホーを操作します。
機械仕掛けのバックホーを繊細に動かしながら、人の熟練された手と連携し、重く大きな石に優しく語りかけるように、石垣を積み上げていきます。
来週へ続く。