子供たちが考えたことの記録
干し柿作り               矢部中2年 原島 友里愛
 私の家は、毎年11月の終わりになると干し柿を作ります。

 この干し柿を作っているのは、祖父母と父母の4人です。

 干し柿は、渋柿という食べたらすごく渋い柿を使います。私は小さい頃、あまりに綺麗でおいしそうな色をした渋柿をなんどか口にしてみて、とても渋かったのを今でも覚えています。

 渋柿は、私も私の両親も知らないずっと昔から、家の畑の端っこに植えられている大きな2本の渋柿の木になっているものを全部使います。その柿を取ってくるのは祖父の仕事です。
 
柿の木の中ほどあたりまでのぼると、そこから長い竹さおで柿のなっている細い枝をはさんで枝を折るようにして柿をちぎっていきます。

 家から畑まではそんなに離れていないけれど結構急な斜面を運ばなければならず、柿もかなりの重さがあるので、とてもたいへんだろうなと思います。

 柿を全部収穫すると今度は皮を剥きます。単調で簡単そうな仕事だけど、昼間はみんな仕事をしているのでいつも夕食を食べた後に12時前後まで作業をしています。

 皮を剥くのは祖母と母の仕事で、紐に柿を吊るすのが祖父の仕事で、それを二階まで運び軒先に干してくるのが父の仕事です。これを1週間くらい毎晩のように繰り返しています。

 全部の柿を干し終わる頃には二階の軒下だけには干しきれず、一階の軒下の洗濯物を干す物干し竿にまでたくさん干されています。このまま一ヶ月くらい干すと渋みが無くなり、甘い干し柿になります。

 でもこんなに作っても家で食べるのは、お正月に少し食べるのと祖母のおやつ程度で、ほとんどは親戚の人たちにあげたり、インターネットを使って売ったりしています。

 この干し柿を毎年楽しみにして買ってくれたり、おいしいといってくれたりする人がいると聞くと、何も手伝っていなかった私でもなんだかうれしくなります。今年の干し柿作りはもう終ってしまったけれど、来年からは私もできる範囲のことは少しづつ手伝っていきたいと思います。

 生では渋くて食べられない渋柿も、家族の手が加わることで、こんなにおいしい柿になると思うと、たかが渋柿といっても見直してしまいます。これからも家族で力をあわせておいしい干し柿を作ることと、この渋柿の木を大切に守っていきたいと思います。
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