2008
玉露園の雪かき・・?
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3月5日 夕 方
政 「カメラば持って玉露園に来て・・。」
江 「え~・・・。寒いけん嫌だ~」


政 「玉露園の雪かきばする。」
江 「今からや!」


政 「このままじゃ、茶の木が曲がってしまう・・。」
江 「・・・・・・。」


     トボトボ、トボトボ、・・・・。
春の雪はシャーベット状で重い。
お茶の細く柔らかい枝は、雪で押しつぶされていて茶の木の悲鳴が聞こえそう。


本来なら、上方のパイプの棚に届くほど伸びているところなのにご覧の通り。
手袋をはめた手のひらで、一かき一かき雪を除けていく。シャーぺーット状の雪はすぐに手袋の中まで水が浸みてくる。


狭い畑とはいえ、かじかむ手のひらでの作業は、なかなかはかどらない。
積雪しているとは言え、さすがに春。
曇り空のためか冷え込みも弱く、少しずつ雪も融け続けている。


このままなら、明日にはほとんど溶けてしまうかもしれない。


・・・それなのに、
政 「やらんといかん」
・・・らしい。
雪に倒された枝をこのままにしておくと、雪が解けても枝が立ち上がらなくなってしまう。


倒れたまま立ち上がれなくなった枝は、新茶の季節になると新芽の伸びが悪く、品質・収量ともに落ちてしまう。
今のうちなら雪をどかした枝は、こうして立ち上がってくる。


江 「まあ、この程度なら今日終わりきれなくても、明       日中に済ませれば大丈夫かな・・」


などと気楽に考えつつ、写真を撮り終えた私は夕食の準備に取り掛かるため、カメラとともに主人を残して家に戻った。

夕食の準備を済ませた頃には、外はもう真っ暗。しかし、いつまでまっても夫は帰ってこない。
茶園の片側は、落差が5メートル以上もある石垣。くもり空の今夜は月の光も届かない暗闇で、「猿も木から落ちる」とも聞くし、少し心配になってきた。


結局帰ってきたのは夜の9時近く。体はしっかり冷え切って手も凍えて痛そう。
茶園の雪かきを最後までを終わらせてきたという。


我が夫ながら今回ばかりは「すごい!」というか「えらい!」と素直に思う。

しかし、明日の朝になれば、雪も自然に解けて「そこまで頑張らなくてもよかったんじゃない。」と思えばなんとなく、「ば〇」または「〇ほ」と思えなくもないけれど、

一年間それほどまでの熱意を持って育ている【伝統本玉露】は、やっぱり【おいしくないはずはない!】と言うお話でした。


このお茶の品評会の成績
 全国茶品評会 玉露の部 88品中12位の成績でした。             終わり(文責:江里)
               ■
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